皆さんはアリ(蟻)はお好きですか?
私は子供のころから昆虫は全般的に大好きでして、常に昆虫図鑑を持ち歩いていました。
公園などでアリが行進しているのをじーっと観察していると、まるで人間のように個々の個体が意思をもって行動しているような感覚になるほど知的な行動を示しています。
蟻は人間のように大きな脳を持ってないので、それぞれの個体が全体の状況を判断し最適な行動を決めるような複雑なことは出来ません。
また、リーダ的な蟻が指揮しているわけでもないです。
アリ(蟻)の社会行動性のメカニズム
小さな頭でシンプルに個体を制御し、それでいて全体最適な行動になるように・・
その答えが、「反応閾値のバラツキ」です。
反応閾値(しきいち)とは?
幼虫の餌やりの仕事を例に説明します。
成虫が幼虫に餌やり行動を起こすトリガーは振動です。
幼虫がおなかを空かすと、もぞもぞと動きます。
幼虫がもぞもぞ動くことで生じる振動に反応して、成虫は幼虫に餌をあげる行動を条件反射的にとるそうです。
でも、幼虫1匹の振動だけで、周りにいる全ての成虫が一気に餌やり行動をすると幼虫は食べ過ぎで体を壊してしまいます。
そんなことにならないように、個体の反応閾値にはバラツキがあるのです。
幼虫1匹の振動は小さく この小さな振動が反応閾値を超える個体は少数なので餌やりは適度な量に抑えられます。
そして今度は多くの幼虫がおなかを空かせた場合には、振動は大きくなり、その大きな振動で反応閾値を超える個体も多くなるので、多くの幼虫が餌やり行動をすることで、速やかに多くの幼虫を満足させることができます。
幼虫の餌やりだけでなく、全ての仕事(作業)に対して、蟻は反応閾値にバラツキをもたせることで、個々は複雑な判断ができる脳を持たなくても、全体では社会性を持った集団生活を実現させているのです。
なんとシンプルで効率的なシステムでしょうか!
自然の英知には心から脱帽します。
ではでは。
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