日常生活でおなじみの接着剤
皆さんも接着剤を使った経験はあるのではないでしょうか?
そんな身近な接着剤ですが、なぜ?接着するのか?
原理を知っている方は少ないのではないでしょうか?
接着剤の原理をわかりやすく解説するよ。
接着剤とは?
接着剤はJISで以下のように規定されています。
「物体の間に介在することによって、物体を結合することができる物質」
接着剤の3つの力
①分子間力
分子間力とは、分子と分子の間に働く引力のことです。
この引力のことをファンデルワールス力とも言い、
「”もの”と”もの”が引き合う力」のことです。
②アンカー効果
アンカー効果とは!
アンカー(Anchor)つまり、船が流されないように船底に固定する錨(いかり)のことです。
接着剤が錨(いかり)が海底に食い込んで船が動かいないように作用しているのと同じように、接着剤が”もの”に食い込んで”もの”と接着剤がはがれないように働いている力のことをアンカー効果といいます。
接着剤には錨(いかり)はありませんが、
”物体”の表面にある小さな穴や凸凹に接着剤が入り込み、接着剤が固まることで錨(いかり)のように”もの”の表面に接着剤がガッチリと食い込む力のことです。
③化学結合
どんなものも、細かく分解していくと、分子になります。
接着剤で接着する”もの”も”接着剤”もすべて細かくすると分子になります。
この分子を更に細かく分解していくと、原子になります。
つまり分子はいくつかの原子が結合(手をつないで)できたものなのです。
この原子がつながる力を化学結合といいます。
”もの”に接着剤と塗ると、”もの”の表面の分子を形作っている原子と接着剤の分子を形作っている原子が手をつなぐことがあります。
このように”もの”と接着剤の原子同士が手をつなぐことで引っ付く力を化学の力(化学結合)というのです。
接着剤が接着する原理
接着剤で”もの”を接着する3つの力を解説しました。
この3つの力のうち、どの力が本当の接着剤の接着力なのかというと、答えは3つとも全てです。
接着剤が”もの”を接着する力は、この3つの力を全て足し合わせた力になります。
だから市販されている接着剤は、液体で用途がある程度限定されているのです。
液体であると、”もの”の表面の細かな凹凸に入り込み易く機械的結合(アンカー効果)が起こりやすいのです。
また、用途が限定されている理由は、より化学結合や物理的結合が起こりやすいように”もの”と相性が良い接着剤の成分にしているからなのです。
まとめ
接着剤が接着する原理は、いろんな力の総合力であることを解説しました。
表面がつるつるの鏡面よりもざらざらの凸凹した面の方が強い接着力が得られますし、接着剤の相性も重要なので、接着剤に記されている用途に合わせた”もの”の接着をするように心がけましょう。
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